ビジネスの要諦
端的に会社が成長する理由
会社が成長し、ビジネスが成功する理由は、端的に言えば1つに集約されます。
その理由とは、「社員一人あたりの利益が高い」と言うことです。
市場環境ですとか、戦略ですとか、組織論ですとか、そういったものは、この一人あたりの利益をいかに上昇させるかというための方法論に過ぎません。
社員が朝、会社に来て、夜、家に帰る、その時間で高い利益のある仕事をすることができれば黒字になりますし、低い利益の仕事しかできなければ人件費
だけがかかって赤字になります。
利益を上昇させる方法
利益を上昇させる方法は、市場環境など色々な要件もありますが、個人の意思と能力で利益を上昇させる方法は2つに集約させることができます。
1.同じ時間の中でどれだけ多くの作業を処理することができるか。
2.同じ商品を同じ金額でどれだけの数量を売ることができるか。
1.は経費を削減するということです。同じ時間でより多くの作業をこなすことができれば、それだけ一つの作業にかかる時間が減る、すなわち人件費が減ると
言うことができます。人件費が減れば経費を節減できますから、それだけで利益があがりやすくなると言えます。
もう一つ、この方法を推進することで間接的に利益が上がる理由があります。それは作業にかかる時間を減らせる人物は、仕事の中で何がやらなければならない
ことで何が無駄なことであるかということを理解している人物であると言うことです。作業にかかる時間を減らすことでミスや不良が増えては何にもなりませ
ん。要領よく作業にかかる時間を減らすことができるということは、業務の中で無駄を徹底的に省きつつ、しかし必要なことは省略しないということでもあるの
です。何がミスを出さないために重要なことで、どのようなことを省略すればミスが出やすくなるのかということを理解していると言うことは、仕事の中で重要
な要素とそうでない要素の見極めができている人という意味でもあるのです。そしてそのような人物が会社の中で稼働率を上げるということは、会社全体の作業
の中でそのような作業をする人の業務比率が増え、それはすなわちミスの少ない工程が増えるという意味にもつながるのです。そのようにして作られた商品は余
分な経費負担がかからないと言え、それは利益率の向上につながります。
この部分を誤解して、単に一日あたりの仕事量を増やせば良いとばかりに作業時間を増やすことを重視する人がいますが、作業時間を増やすだけでは仕事の中で
重要なこととそうでないことの区別がついているとは言えません。そのような考え方で昇進し、重要なポストを占めた場合、仕事の中の重要な要素と無駄な要素
の区別がついていないまま、売上をあげるためには経費をかければ良いとばかりに無駄なことに資金を費やして巨額の赤字を作り、挙句の果てに赤字になった理
由も分からずとんちんかんな対応をしてますます傷口を広げることになりがちです。
この効率の良い作業の考え方は、工程短縮の項目で取り上げます。
2.は販売の効率を高めるということです。同じ資金量で、いかに売上を伸ばすかということです。広告で言えば反応率と呼ばれる数字で、宣伝を打った時に顧
客からの反応が良くないと、どれだけの宣伝費用をかけたところで十分な売上は見込めません。
どのようにすれば高い販売効率を見込めるようになるかということは、マーケティングの項目で解説します。
相手のレベルに合わせた仕事をする
顧客が求めているレベルを察知し、そのレベルに合わせた仕事をすることも、ビジネスを成功させる上での要件と言えます。
たとえば企業の購買部門への営業をおこなうのであれば、企業の購買部門は会社から与えられているノルマをこなすことと、不良などのトラブルにさえ巻き込ま
れなければそれで良いという考え方をしがちです。このような時に商品自体の性能をPRすることはあまり意味がありません。この場合、いかに安定的な供給が
できるかということを主張する方が有効であると言えます。
その一方で、一般的に大衆向け商品については商品自体の魅力をきちんと捉え、それを正確にPRする必要があります。顧客は自分の資金を投じて、生活に必要
な、あるいは趣味の商品を手にするわけですから、商品の性能・品質に対して見る目が厳しくなります。したがってそのような顧客の要求に応えられる品質を保
つ必要があります。
このように顧客が異なればおのずと売り方が異なります。仕事は全て相手のある話ですから、仕事をする上で相手に合わせて対応を変えるやり方を心がければ、
良い結果を得られやすいと言えるでしょう。もちろん、最終的には会社の業績が向上する必要はありますが。
とは言えこれも相手次第の話です。会社の中でも、業績の向上に関心のある会社と、業績の向上よりも自分の体面に関心がある会社とがあります。この場合も、
原則としては相手に合わせた仕事をするより仕方がありませんが、その場合には仕事をする上での限界を感じるかもしれません。
商品の三大構成要素
商品を構成する要素は品質、納期、単価です。これら3つの要素が揃って商品が成立します。三大構成要素の一つ品質は、狭義の品質にとどまらず、商品
の性能なども含めた広い意味で考えます。
当然のことながら品質は高い方が良く、納期は短い方が良く、単価は安ければ売上が上がり、高ければ利幅が厚くなります。
一般的には品質の高い商品は単価を高くして利幅を厚く取ります。言い換えると品質を差別化できる商品は単価を必ずしも低くして利幅を低くする必要はありま
せん。ただし品質を差別化する場合には、その差別化が顧客にとって支持される内容であると同時にその差別化された内容が具体的に顧客に伝わっている必要が
あります。これらの品質の差別化戦略に必要な技術がマーケティングになります。マーケティング技術については別項で細かく内容を解説します。
しかし中にはどこで購入しても品質が同じという商品があります。JISなどで規格が定められている商品や、パソコンのCPUやゲーム機など市場が特定メー
カーの寡占状態でどの店でも同じ物を買える商品、あるいは顧客先から仕様が定められている部品などの下請け(OEM生産)などです。これらの商品は品質・
納期で他社と差別化をはかることはできませんから、いきおい優劣を決めるのは価格のみとなり、価格競争が激しく利幅が薄くなる傾向があります。この場合に
生き残るポイントとなるのは作業の合理化で経費を削減することになります。この作業合理化の方法は工程短縮の項にて解説します。
ビジネスにおける信用
ビジネスにおいては信用が第一です。信用の無い会社や信用の無い人間とは誰も付き合いませんし、付き合いや取引が無ければ仕事は成り立ちません。
ビジネスにおいては信用とは2つの意味を持ちます。
1つは、金を支払う能力です。ですから、約束の金銭が支払われなかったり、期限通りに金銭が支払われなかったりした場合は信用が無いということになりま
す。
もう1つは、口にしたことは必ず遂行できるという能力です。できると言ったことは必ずやり遂げられるということです。逆に言えば、できそうになければやら
ないと言うことも信用の一つです。
相手の期待に応えることが信用だと考える人がいますが、この考え方は誤りです。相手の期待は、えてしてこちらの立場は考えずに相手の都合だけを考えている
ことが多々あります。そしてその考え方につき合わされると負担が重くなり、利益が圧迫されます。あくまでもビジネスの取引とは利益が出ていることが条件で
あり、約束された利益が供給されない取引を続けると自滅します。
正道か奇策か
ビジネス戦略において正道を求めるか奇策を求めるかということは一概には言えません。正道が優位になることが多いですが、綿密に計算された奇策がか
えって有効になる場合もあります。
とは言え日常業務の中では正道を中心に考えるのが良いです。
正道は長期的、安定的に持続できる方策ですが、奇策はその場しのぎの方策に過ぎません。
正道は信用を得られやすいですが、奇策は長期的な信用を得るにはリスクがあります。
正道は為すべき基本は少なく、あらゆる局面に応用がききやすいですが、奇策は熟慮すべき要素が大きくその多面的影響は容易に判断できない上、一つ一つの奇
策は応用が利きにくく、一度成功した策がもう一度通用するとは限らないことが多々あります。
要するに日常の業務で正道を中心に据えれば長期的に発展しやすく、困難な局面に直面しても応用がききやすく、信用も得られやすいですが、奇策を業務の中心
に据えると業務内容に継続性が薄くなり、新しい局面に直面するたびに新しい策を練りだすべくその対応に追われ、しかも何か少しでも考慮しきれていない不安
定要素があると、不安定要素に不安定要素が積み重なって事態の収拾がつかなくなります。
あくまで基本は正道を中心に進め、正道だけでは解決できない局面に直面した時のみ限定的に奇策を使うのが良いと言えます。もっとも、本当に正道がうまく
行っている状態であれば、そもそもその正道が通じない局面が出てくるのであればそのような状況自体を避けてしまう(その事業を撤退してしまう)という方法
もありますが。










