マーケティング実践

理論よりも実践で体得する

マーケティング理論も一応整理しておこうかと思いましたが、マーケティングを実践したことが無い人がマーケティングの理論を先に読むと弊害の方が大 きいと感じましたので、理論の整理はやめておくことにしました。
スター/金のなる木/問題児/負け犬のポートフォリオ理論ですとか、転換マーケティング・維持マーケティングなどのマーケティングスタイルの理論、 SWOT分析など、 知っておくと参考になる理論はあるのですが、それは既に商品をある程度扱い慣れ、売れ筋商品の作り方をある程度理解している人が参考にすべきものであっ て、そのような現場の感覚を知らない人が理論だけを知ったところで、かえって売上を向上させるというマーケティング本来の目的を見失ってしまうだけのよう な気がします。
たとえば市場シェア占有率に応じた戦略なども、戦略として参考にならないわけではないのですが、市場シェアを巡ってしのぎを削るほどの大企業の、ましてや その商品戦略の意思決定をおこなえるような中枢の人物になど、ごく一握りの人しかなれないでしょう。また中小企業クラスで、実際に自分の商品が市場のシェ アの何パーセントを握ることができているのかを把握できている所などほとんど無いでしょう。しかしマーケティング理論はこのようなことを情報を事前に踏ま えた上での戦略を提示することがしばしばありますので、そのような市場情報を得られるだけの市場環境や資金力を持っていない会社は、そもそもこのような理 論を使うことができないということになります。
また商品の強み、弱み、機会、脅威を分析するSWOT分析も、過去にどのような商品が売れ筋になったり死に筋になったりしたか、そしてその原因は何かとい うところを的確につかんでいなければ、とんちんかんな要素を強みや弱みに分類し、結局そこから建設的な回答は何一つ引き出せないという結果になってしまい がちです。

何が売れるのか分からなければ戦略は立てられない

いくら理論を知り、戦略を知っていたところで、自社の商品で実際に売れている商品を持ち、売れている理由を的確に理解でき、なおかつある程度売れる 商品を自分で作れなければ、本に書いている理論や戦略を使いこなすことはできません。
たとえば転換マーケティングという方法論があります。これは既存の商品の中で売上が低迷している物を選び、その商品や商品の市場に今までとは別のマーケ ティング的コンセプトを与え、それによって売上量を回復させようとする方法論です。しかしこのような方法論を知っていたところで、それだけで即、売上が低 迷している商品の販売量を回復させられるわけではありません。どのようなコンセプトを新しく与えれば売上を見込めるのかということを事前に予測できなけれ ば、このようなマーケティング理論だけあっても使えないのです。新しいマーケティング的コンセプトを与えたところで、そのコンセプトが購買層にとって魅力 が無いものであれば、やはり売上は低迷するままになるでしょう。そしてどのようなコンセプトを新しく与えれば売上が上がるのかということは、転換マーケ ティングという理論を知っているだけでは予測できません。ましてや、どんな商品にはどんなコンセプトを定義づければ売れるのかなどを教えてくれる本はあり ません。自分でどのようなコンセプトなら売上が見込めるのかを調べなければならないのです。その時にあてにできるのは、過去に自分が手がけてきた商品の情 報の蓄積だけなのです。

マーケティング入門としてのアフィリエイト

マーケティングの経験を十分に積むことができれば良いのですが、実務の中で経験を積んでいくのは常道であると同時にリスクもはらみます。未経験のう ちは、どうしても売れない商品を山のように作ってしまうこともあるでしょう。それも経験のうちと言えばその通りですが、実務の上で売れない商品を山のよう に抱え込んでしまうのは問題がありすぎますし、またそのような失敗が原因でその後のキャリアが閉ざされてしまうリスクも否定はできません。

そこで、商品の売り出し方を学ぶ場としてアフィリエイトプログラムを利用することをおすすめします。

アフィリエイトプログラムにはGoogleアドセンスや忍者アドのような、ホームページコンテンツの内容に応じて自動的に最適の広告を提示してくれるアド センス広告と呼ばれるものもありますが、こちらはマーケティング調査として活用するには不向きです。
楽天アフィリエイトやA8.netのような、ホームページ運営側で商品を選択して紹介できるプログラムを活用するのが良いでしょう。

アフィリエイトのホームページを作り、そこで商品を紹介し、商品名や価格もホームページ側で明示しておきます。
ただ、その商品をどのようなやり方で紹介するか、どのようなカテゴリでくくって紹介するかということは、全てあなたの判断でおこなえるわけです。
たとえば同じ栄養ドリンクでも、スポーツ用品を紹介するホームページで紹介するのと、ビジネスマン向けのおすすめ商品を紹介するホームページで紹介するの では、売上も変わるでしょう。また、商品の説明文の書き方でも売上が変わるでしょう。同じ説明文でも、ビジネスマン向けのホームページとスポーツマン向け のホームページとでは売上も変わるでしょう。
どのような商品の紹介の仕方なら顧客をひきつけることができるか。また、どのような分野の商品を顧客は求めているのか。そしてどのような商品をどのように 紹介すれば売れるのか。その感覚を身につけるのにアフィリエイトプログラムは最適であると言えます。複数のアフィリエイトサイトを立ち上げて、それぞれの ホームページのアクセス数や購入率を比較すれば、おのずと売れる商品の法則も理解できるようになるでしょう。

ここでのアフィリエイトプログラムの活用はマーケティング的感覚を身につけることを目的にしていて収入を期待してのものではありませんので、報酬還元率が 高い物を選択することを考えなくても良いでしょう。また、実際の商品の購入率は、あなたが作ったホームページのマーケティングセンスそのものだけではな く、あなたのホームページからリンクした先の商品販売サイトの出来不出来にも左右されてしまいます。商品紹介先のホームページの出来までコントロールする ことはできませんので、実際の商品購入率はマーケティング効果の調査としては不正確になりがちです。そこで実際に調査する数字としては、商品の販売サイト へのリンクのクリック回数を調べるのが良いでしょう。

有料ホームページでこのような調査をおこなうホームページを作っても、まず採算は合いませんので、無料ホームページを使ってアフィリエイトプログラ ムをおこなうのが良いでしょう。ただ無料ホームページでは商用利用やアフィリエイト広告の利用を禁止している所もありますので、規約をよく確かめる必要が あります。

なおこのホームページの掲載にも利用しているNINJA TOOLSのホームページは、無料で利用できる上に規約上アフィリエイトプログラムの利用に制限がなく、さらにホームページの中でどのリンクをクリックし たかを調べることができるプログラム(NINJA効果測定)も公開されていますので、このような調査をおこなうアフィリエイトサイトを立ち上げるのには最 適であると言えます。一応間借りしている身ですので宣伝です(笑)。

なお広告のキャッチコピーの書き方については、フォレスト出版から出ている神田昌典著『あなたの会社が90日で儲かる!』に丁寧に書かれています。こちら の本を読まれると、より深く販売の実践ノウハウを理解できますので、こちらもご参照ください。
神 田昌典著『あなたの会社が90日で儲かる!』はこ のリンクをクリックした先のサイトから購入できます。

理論を活用する時

マーケティングに関する理論はいくつかありますが、それらの理論が全く役に立たないかというと、そういうわけでもありません。理論が先にあってから 販売戦略を考えると大抵の場合は失敗しますが、販売戦略を考えた後に理論を参考にして過去の事例を調べることには一定の意義があります。
たとえば売れなくなった商品に「転換マーケティングをおこなう」と言ったところで成果が出るものではありませんが、ある売れなくなった商品に別のコンセプ トを与えれば売れるのではないかと思いついた時に、転換マーケティングの事例を過去に調べれば、どのような宣伝の仕方をおこなえば効果的にイメージの転換 をはかることができるのかというデータを参考にすることができます。
とは言えマーケティングとはあくまで実践が戦略の最初に来て、理論はそのプロセスを補助するものにしか過ぎません。その点はよく理解しておく必要があるで しょう。

開発・生産から販売まで一貫したシステムを作る

マーケティングを考える上で踏まえておかないといけないことは、開発・生産から販売まで、一貫したシステムを作る必要があるということです。マーケ ティングと言うと、つい販売のことばかりを考えてしまい、それ以外の要素、たとえば生産や品質管理のことにまで考えが及ばなくなりがちです。
しかし商品の生産能力が貧弱で供給が需要に追いつかなかったり、商品の品質管理に難点があり不良が発生してしまうなどの問題が生じると、販売に致命的な影 響を与えます。また他社よりも抜きん出た製品の能力をPRしようとする場合、商品の能力を引き上げる研究や価格競争にも耐えられる生産コストダウンなどの 努力も必要になります。そして実際にマーケティング活動でおこなえる商品のPRの限界は、この開発・生産体制の能力に制限されることになるのです。

不完全な商品のPR

もしも開発・生産・品質管理体制に不安があり、宣伝をした場合でもユーザーからの一定の支持を得られない可能性がある時には、どうすれば良いので しょうか?
その場合の最良の対応としては、宣伝しないことです。本来ならこのような事態に陥るのは避けるべきですが、会社の事情の中で、不完全な開発・生産体制で あっても先に商品の宣伝をしなければならないことがあります。その場合には、とにかくあまり派手な宣伝活動をしないことが重要になります。とにかく商品の 品質が安定しない状態で派手な宣伝を仕掛けたとしても、悪い評判ばかりが先に広がってしまい、そのような点で一度ミソがついてしまうと、ユーザーからの信 頼を取り戻すことが難しくなります。
また、わずかな宣伝でも敏感に反応するようなユーザーは、元々商品に対するアンテナが敏感であり、それはすなわち商品に対する知識も十分である傾向があり ます。その場合には、多少の不出来な商品であっても、ユーザーの側で問題を解決してしまうことも期待できます。問題はそのような事態に対処できないライト ユーザーがそのような不完全な商品を手に入れてしまった時で、このような場合にはその商品はガラクタにしかなりません。こうなると悪い評判がたちやすくな り、生産体制を整えた後でもその評価を覆しにくくなります。したがってライトユーザーに商品が手に入らないようにするために、商品の宣伝をしないというこ とが最善の選択肢となるのです。
宣伝を最低規模に抑えつつ時間を稼ぎ、その間に開発・生産体制を補強して、十分な供給能力を確保することができれば、その後に大規模な営業攻勢を仕掛けや すくなるでしょう。

↑TOP↑

(C) 2007 Yutaka Ashihara. All rights reserved.