その他の技術
起業・独立
どのようにすれば業績が向上するのか自分で分かっているのに、会社の制約・抑圧が厳しくてそのような手段を会社の枠の中でおこなうのが不可能である場合、
起業・独立が視野に入ります。それ以外の動機での起業は失敗する確率が高くなります。また起業・独立をする場合、それまでの人間関係に関する哲学のままでは会社の経営が継続できないことを理解する必要があります。自分で会社を経営している わけでなければ、人間関係にはある程度相手に甘えることが許されますが、自分で会社を経営すると、人間関係は金銭関係になります。これはあなた自身が何も 変わらなくても、あなたのまわりの人があなたを金づると考えがちになることを意味します。
一例をあげましょう。
あなたが起業するにあたって、起業に要する資金を投資してくれる人を探すとしましょう。その場合、あなたが探せば「投資しましょう」と言う人はそれほど苦 労なく見つかると思います。そして相手の人はあなたに投資するために、あなたの事業の計画を知りたいと告げるでしょう。
この段階で、そのようにあなたに投資したいと名乗りをあげてきた人のうちの9割は、まずあなたに投資する気などさらさら持ち合わせていないと考えるのが賢 明です。このような人達は、あなたが起業するにあたって資金が足りないことに目をつけて、投資の話を餌にあなたから事業の計画を聞きだし、儲かりそうであ れば自分でその事業を立ち上げようと計画している人です。もちろんあなたがそれと知らずに自分の計画を話してしまい、相手にアイデアを盗まれて相手の人が そのアイデアを元にあなたと関係のないところで起業したとしても、違法性はありません。あなたが泣き寝入りするだけでおしまいです。
それ以外の残り1割のうち、さらにその9割は、おそらく詐欺目的であなたに近づいています。あなたに投資すると言う話を持ちかけた上で、保証金や審査費用 の名目であなたから金を巻き上げ、そして逃げ出そうとしているのです。融資にまつわる詐欺は多いですので、その亜流と考えて良いでしょう。これは詐欺行為 であり、違法ですが、相手が他にも類似の詐欺を何件も起こしていない限りその違法性を証明することは難しいかもしれません。また相手を仮に詐欺で立件でき たからと言っても、それで出した金が返ってくる可能性はきわめて低いです。1割でも金が戻ってくれば御の字と考えるのが妥当でしょう。
最後に残った1%が、実際にあなたに投資しても良いと考えている人です。ただし、最初はあなたに会社を経営させた上で事業が成功するようなら会社ごと乗っ 取ってしまおうですとか、スポンサーの立場を利用してあなたの会社の事業方針にあれこれと口を出してきて助けになるどころか邪魔になっているですとか、あ なたが期待するほどの資金は出してくれないですとか、そのような可能性は多分にありますし、それが普通です。
もしもあなたが起業するための資金を集めるにあたって、あなたの考えるだけの資金を気前よく出してくれ、それでいてあなたの事業内容を邪魔するような口出 しをせず、あなたは順風満帆の会社経営ができるようになると考えているのであれば、神様にでも祈りなさいとしか言いようはありません。
起業・独立が非常に厳しい道のりであるというのは、そういう意味です。
ただし人間関係がそういうことになるものであるということを理解し、あなた自身が明確に利益を出すための算段が計画できているのであれば、起業・独立は十 分選択肢に含まれるようになります。
ビジネス理論
ビジネスでもてはやされている理論のいくつかをご紹介します。
ランチェスターの法則
戦力は兵力の二乗に比例するという計算式をベースにした戦術法則です。ビジネスで言えばある二社の間に資金力が二倍あれば、利益の見込の差は四倍に
なると言う考え方です
そしてもう一つ、戦力の質は戦力の量の平方根の影響があると言う考え方もあります。
このランチェスターの法則に従えば、基本的な戦術は下記のようになります。
・戦力は数多く揃える
・戦力は集中して投入する
・戦力が不利な場合は局地戦を仕掛けて正面戦線は小さくする
個々の要素を詳しく解説すると長くなりますので、ランチェスターの法則について説明しているビジネス書を参考にされるのが良いでしょう。
この法則は、基本的な考え方は「物量が多い方が勝つ」という考え方ですが、物量が多いのは先天的に恵まれた環境で差がつくのではなく、ビジネスにおいては
物量を増やす努力を日頃からどれだけしているかということが重要な問題になります。逆に言えば物量を増やす努力さえできれば、ビジネスで勝つことは容易で
す。物量とは資金の問題でもありますし、人材の問題でもありますし、宣伝媒体量の問題でもありますし、製造量の問題でもあります。これらをいかに効率良く
増やせるか、質を無駄に向上させるよりも的確な質を大量に増産できるかを考えることができれば、ビジネスにおいて優位を保てるでしょう。
オペレーションズ・リサーチ(OR)
原因と結果の因果を数式で分析しようとする理論がオペレーションズ・リサーチです。オペレーションズ・リサーチは、これらの数式の集大成であって、
オペレーションズ・リサーチと呼ばれる計算の方法は数多くの種類があります。オペレーションズ・リサーチの解説書には、これらの計算式を細かく解説してい
るものがありますので、それらの書籍をご覧になるのが良いでしょう。
一般的にオペレーションズ・リサーチは製造部門における効率的生産方法に対して有効です。セールスであれば大量のセールスマンが動く場合のセールスマンの
配置や所要時間計算などの分析に有効だと言えますが、これもセールス技術ではなくリソースの効率的運用を重視していると言う点でセールスではなく生産部門
の考え方に近いと言えるでしょう。
ゲーム理論
ゲーム理論はオペレーションズ・リサーチの一分野ですが、二者以上が競合する場合に競争で優位を保つためにはどのような行動をすれば良いかを数式で
解明することに重点が置かれます。とは言え計算式はゲーム理論の科学者が多々生み出していますが、ビジネスの実務においては絶対優位の法則・絶対劣位の法
則と、囚人のジレンマの理論の結論(囚人のジレンマの環境下では相手の善意に基づく最善の利益は成立しない)さえきちんと理解しておけば、それ以外の理論
を用いることは滅多にありません。
ナレッジマネジメント
組織の中のある特定の誰かが思いついたアイデアを、その人だけのアイデアにするのではなく、組織全体で共有できる仕組みを作ろうと言うのがナレッジ
マネジメントです。個々で所有している改善のアイデアを共有できれば、かなりの作業の合理化ができます。少ない人数の組織でおこなうよりも、大組織でおこ
なう方が、個々の持つ合理化のアイデアの数が多く、なおかつ一つの改善のアイデアで合理化できる工数が膨大になりますので、小企業よりも大企業向きの考え
方です。
とは言えナレッジマネジメントは組織の中の風通しの良さによって有効性が左右される理論です。成果の横取りや、アイデアに対する報酬が少ない場合には機能
しませんし、一つのアイデアを思いついてもそれが全体ではうまくいかないこともあり、その時に個々の現場の実情を無視して上からの指示の押し付けをおこな
うと会社全体の効率が低下します。そういう意味で、現実は理論通りには進まないということをしばしば証明する理論でもあります。










