営業の技術
商品の提案能力
商品の提案とは、商品の機能を説明することではなく、相手の日常がどう変化するのかを提案することです。「このパソコンは、今のパソコンより速く動作するパソコンです」は、提案になりません。
「このパソコンは今のパソコンより速いですので、今よりも仕事が早く片付きます」というのが提案です。
相手の生活が、いかに速く・簡単に・便利に・楽しくなっていくかという要素を考えていくのが提案の作業です。
交渉の技術
世の中には交渉でいかに自分の要求を通すかというような本が多数出回っています。交渉で自分の目的を達することができるように交渉の技術を鍛える、
相手の心理を先読みし、相手の心理を自分の利益に沿う方向に持っていくというのは、もちろんそれはそれで有効な技術です。
しかし交渉において優位を決める最大の要素は、交渉それ自体ではなく、交渉以前の自社の能力です。いかに安価に商品を供給できるか、いかに商品を大量に安
定して供給できるかという能力にかかっています。
他社では呑めないような値下げを要求されていても、自社の調達・生産能力が高く、提示された価格でも十分利益が出るのであれば、その条件を呑むことはでき
ますし、それは相手の要求を丸呑みしたからと言って交渉で負けたと言うわけではありません。交渉における成功とは交渉を通じて利益が出ることであり、交渉
における失敗とは交渉の結果、損失が出るということです。
また商品の値下げを要求されても、自社より安い価格で商品を供給できる能力を持つ他社が無いと分かっていれば、その要求を突っぱねることも可能になりま
す。
他社よりも安価に商品を供給できる能力が自社にあれば、相手の値下げ要求を丸呑みしても利益を出すことができ、相手の要求を突っぱねても相手は取引先を変
えることができないという交渉における優位を、交渉以前から持つことができます。
他社より安価に商品を供給できないなら、相手の値下げ要求を丸呑みすれば赤字になり、相手の要求を突っぱねれば相手は商品の購入先を変更するので取引を失
います。
商品を購入する場合も、安価に商品を調達できるルートを探すことができれば、値下げ交渉をすることなく安価な商品を入手することができます。ただし、中に
は安い価格で商品を供給すると言っても、品質管理体制がずさんで不良品を多数作る会社もあります。そういう会社を選別する能力も重要で、これは交渉のテー
ブルについてから考えても遅いことです。
このように、交渉における優位とは、交渉のテーブルの上での技術で解決できることではなく、交渉が始まる前から既に決まっていることなのです。
同様に、会話ができるから売上が上がるというわけではないというからくりも見えてくるのではないかと思います。
営業担当が作れるルール
商品を安価に安定的に供給する能力を提供すると言っても、それは製造や技術が担当することで営業ができることでは無いと思われるかもしれません。
しかし営業レベルでも、商品を安価に供給できるように段取りを整えることは可能です。
以下にその一例を挙げます。
・商品供給時のロットをまとめる
・相手の発注予定数量(製造予定数量)を事前に確認する
・商品の運送手段・発送手段を安価な方法に切り替える
・同一商品の販売先を増やすことで製造・調達のコストを切り下げる
間接費用を自ら減らす工夫をおこなえば、製造部門に依存することなくコストを切り下げることができます。










